美蘭牛とは?十勝が誇る希少な牛肉の秘密を解説

北海道十勝牛の群れ お肉

北海道十勝産の希少なブランド牛「美蘭牛」について、その魅力と購入方法を徹底解説します。美蘭牛は、福田農場が土づくりからこだわった循環型農業で育てた交雑種(F1)で、和牛の旨味とホルスタインの赤身の良さを兼ね備えた、まさに「幻の牛肉」です。

この記事では、美蘭牛の定義や飼育方法、肉質の特徴など余すところなくご紹介します。

美蘭牛とは?十勝が育んだブランド牛(福田農場)

美蘭牛は、北海道十勝の本別町美蘭別という地で、有限会社福田農場によって生産されているブランド牛です。黒毛和種の雄とホルスタイン種の雌を交配させた交雑種(F1)であり、黒毛和種の持つ旨味と、ホルスタイン種の肉付きの良さを併せ持っています。

その肉質は、旨味と脂の甘みが特徴で、脂の融点が低いため、口に入れた瞬間に広がるなめらかな口どけが楽しめます。さらに、美蘭牛の中でも未経産の雌牛は「福姫」という特別なブランド名で呼ばれ、その希少性から高い価値が認められています。

福田農場は、「人間も牛も健康健全なものを食べれば健康に育つ」という理念を掲げ、土づくりから徹底的にこだわった循環型農業を実践しています。この循環型農業は、「牛」「肥料」「飼料」を農場内で循環させることを基本としています。

具体的には、乳酸発酵飼料で育てた健康な牛の堆肥を使い、畑のミネラルや微生物のバランスを整え、その畑で育った自給飼料、つまり自社生産の牧草などを牛に与えることで、輸入飼料に頼らない飼育を実現しています。

この飼育方法には、いくつかの特徴があります。まず、自社生産の牧草を中心とした飼料を与えることで、24ヶ月以上という長い時間をかけてじっくりと牛を育てます。これにより、自然な肉の味わいと、低い脂の融点が実現されるのです。

また、太らせるための過剰な給餌や、無理な運動制限は行わず、牛にストレスを与えないように配慮しています。さらに、土が健康でなければ、作物、牛、人間、そして地球自体がうまく機能しないという考えのもと、土づくりに特に力を入れています。乳酸菌発酵飼料を与えることで、牛の胃腸の働きを整える工夫もされているんです。

福田農場は、地球環境に配慮した再生可能な農場経営を目指しており、畜産と地球環境について深く考え、環境に配慮した畜産を広めることを目標としています。そのために、循環型農法とリジェネラティブ農法(環境再生型農業)を組み合わせた、独自の牛づくりに取り組んでいます。

よしにくっく
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とても魅力的な取り組みですよね

美蘭牛の産地のこだわり

美蘭牛が育つ北海道十勝地方は、冷涼な気候と広大な大地が特徴で、酪農・畜産に非常に適した環境です。夏でも比較的涼しく、牛にとって過ごしやすい気候であり、さらに、寒暖差が大きいことで牛の体質が強くなり、良質な肉質へとつながります。

広大な牧草地で放牧することで、牛は自由に動き回り、ストレスが少ない環境で育ちます。清らかな水や空気など、自然の恵みが豊富であることも、美蘭牛の品質を高める重要な要素です。十勝地方は酪農・畜産が盛んな地域であり、地域全体で品質向上に取り組んでいることも美蘭牛の品質を支えています。

美蘭牛は地域の特産品として、地域活性化にも貢献しており、福田農場は岡本精肉店と連携して、その魅力を全国へ発信しています。また、「美蘭牛」の名前の由来である「美蘭別」という地名はアイヌ語に由来すると考えられ、この土地の歴史と文化を感じますよね。

よしにくっく
よしにくっく

「美蘭牛」名前も素敵すぎませんか……

美蘭牛を食べた感想

ぼくは牛肉が大好きで、特に交雑牛が大好きなんです。交雑牛とは、黒毛和種の雄とホルスタイン種の雌を交配させた交雑種を指します。黒毛和種特有の和牛香(脂の香り)もあって、ホルスタインの赤身の旨さを兼ね備えている牛肉です。

リブロースをステーキで食べたのですが、まず脂の融点の低さを感じました。口溶けがサラッとしていて澄んだ旨みといいますか……、健康的な肥育をされているんだなということを感じました。

そして、赤身の旨さも目を見張ります。肉の繊維がギュッと締まっていて、噛みごたえがありますが、嫌な固さではありません。とにかく赤身と脂のバランスと香りが良く400グラムを夢中で食べました。

ぼくは黒毛和牛のリブロースだと、おそらく100グラムくらいしか食べれないと思います。食べ進めるうちに脂でもたれちゃうんです。でも、美蘭牛サーロイン1キロくらいなら食べれちゃうんじゃないかと思います。健康的な肥育をされている牛肉なので、脂でもたれちゃうなんてことは一切なく、身体がよろこんでいるような感覚ですね。

食べ方ですが、ぼく個人的にはステーキがおすすめです。「美蘭牛」の肉質の良さをわかりやすく感じられるかなと。脂と赤身の澄んだ旨味をそのまま味わってほしいです。焼き加減はミディアムレアがちょうどよいと思います。

まとめ

美蘭牛は、福田農場の徹底したこだわりと、北海道十勝の恵まれた環境が生み出した、まさに「幻の牛肉」と呼ぶにふさわしいブランド牛です。その美味しさはもちろんのこと、環境への配慮や持続可能性への取り組みも魅力的に感じます。ぜひ一度、美蘭牛を食べてみてほしいです。

この記事を書いた人
よしにくっく

お肉への情熱が冷めない肉食男子(?)、よしにくっくです。
お肉博士1級と調理師免許を保持し、日々お肉と料理の世界を深く探求しています。

普段は食品会社の営業担当です。顧客にはミシュラン星付きレストランのシェフもいらっしゃるため、貴重なお話をうかがう機会も多いです。

このブログでは、そんな情報も交えながら、お肉のことや料理のことを発信していきます!

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