「週末にBBQやるけどお肉はどうしよう?」「BBQで盛り上がるお肉を用意したいなあ」
BBQシーズンの到来でこんなお悩みありませんか?しかも最近では1年中楽しめるBBQ。
美味しいお肉を囲んで、家族や仲間と楽しい時間を過ごすのは最高の贅沢ですよね。
今回は、1級お肉博士と調理師免許を保持する私が、BBQに最適なお肉の選び方やオススメのお肉をご紹介します!
BBQってめちゃ楽しいですよね。
BBQのお肉選び
BBQの成功は、適切なお肉選びから始まります。以下のポイントを押さえて、最高のお肉を用意しましょう!
鮮度
牛肉は鮮やかな赤色、豚肉は濃いピンク色、鶏肉は淡いピンク色が理想的です。これらの色味であれば、異臭やネバつきなどはほぼ無いでしょう。加えてドリップが出ていない物を選ぶこと。ドリップとは時間が経つとお肉から出てくる赤い水分です。ドリップにはお肉の旨味が詰まっており、できるだけ出ていない物を選びましょう。
霜降り具合
黒毛和牛であれば、A4ランクくらいがちょうど良いサシ(霜降り)が入り、とろけるような食感でBBQが盛り上がるでしょう。輸入牛はプライムグレードやチョイスグレードというランクがあり、その中で適度なサシがあるものを選びましょう。脂の旨味と赤身の濃厚な味わいが楽しめるはず。
厚さ
ステーキであれば2cm程度が焼きやすく、中まで火が通りやすいです。薄切りであれば、3〜5mm程度が適切です。薄すぎると焦げやすいので注意。ごろっとしたカタマリ肉をじっくり時間をかけて焼けるのもBBQの醍醐味。見た目にも豪華で場が盛り上がります。
BBQにオススメのお肉
お家や焼肉屋さんでは、焼きづらい種類や大きさのお肉でも美味しく楽しく焼けるのがBBQの魅力ですよね。
ここでは、ぜひBBQで焼いてほしいお肉をご紹介します!
BBQ盛り上げたいですよね!
牛肉
- リブロース:やわらかくて濃厚な味わいで、適度な霜降りが特徴です。ぜひ3cmほどの厚切りでじっくり焼いてください。旨味が濃い部位なので、塩・コショウのみのシンプルな味付けでも最高な美味しさです。
- サーロイン:程よい脂身と赤身のバランスが絶妙で、スジもほぼ無い部位です。そのため、きめが細かくてやわらかいジューシーな肉質で、脂の甘みも感じられる「サー」(爵位の称号)を与えられるほどの特別な美味しい部位です。
- カルビ:脂がジューシーで、風味豊かで焼肉・BBQの定番部位です。カルビとは韓国語で「肋骨(あばら)」の意味で主にバラ肉を指します。お家焼肉では脂汚れが気になるカルビですが、BBQでは気にすることなく厚切りカルビを強火で素早く焼いて、脂の美味しさを楽しみましょう!
豚肉
- ヒレ:あっさりとした味わいで、脂もほぼない部位でとてもやわらかいので、幅広い年齢層に人気です。肉の水分量が多くきめも細かいので、じっくり火を通すとほっくりしたジューシーな肉汁が楽しめます。BBQのお肉は脂が多くなりがちなので、豚ヒレは良いアクセントになるはずです。
- バラ:ジューシーな脂とコクのある味わいで、じっくり焼くとクリスピーで香ばしい旨味を楽しめます。ダッチオーブンで煮込むと脂身がやわらかく、とろける美味しさに。1cmほどに厚めにスライスしてサンチュやキムチ、ニンニクも添えて「サムギョプサル」で野菜もたくさん摂れてヘルシーに楽しめますね。
- 肩ロース:濃厚な赤身に脂身がほどよく網目に入りこんでいるので、旨味とコクが感じられて個人的に大好きな部位です。牛肉にも近いくらいの味わいが感じられます。5cmほどに分厚く切って、おろしニンニクと塩・コショウをすり込みじっくり焼いて食べるとシンプルな美味しさが最高です。
鶏肉
- モモ:良く動かす部位のため、筋肉質で歯ごたえのある肉質。程よい脂肪分も含んでおり鶏肉らしいコクとジューシーな味わいが楽しめます。ソースやケチャップ、はちみつのタレで漬け込み、バーベキューチキンがオススメ。甘めの味わいなのでお子さんにもよろこばれるでしょう。
- セセリ:鶏の首の周りのお肉です。プリッとした弾力のある歯ごたえと、程よくついた脂のジューシーさとコクが特徴で、個人的に大好きな部位です。スーパーではなかなか買えない部位なので、お肉屋さんで買い求めると良いでしょう。塩・コショウして網で炭火焼きすると、宮崎名物風に黒い色がついた香ばしい焼き鳥が楽しめます。
- 砂肝:正式名称は「砂嚢(さのう)」と呼ばれる部位で、鶏がエサと一緒についばんで飲み込んだ砂や小石をすりつぶして消化しやすくするための部位なんです。砂肝に脂肪はほぼなく、高タンパクで低カロリー。不思議な部位ですが、コリコリサクサクの歯ごたえがたまりません。塩コショウとごま油でニンニクを入れたホイル焼きがオススメ。
BBQが盛り上がるお肉
気のおけない友人や家族との特別な時間を、さらに盛り上げるスペシャルなお肉をご紹介します! BBQならではの「骨付きカタマリ肉」をぜひお試しください。
トマホークステーキ
トマホークステーキとは、牛の肩ロースとサーロインの間の中心部位で「リブアイロール」を骨ごと1本ずつカットされて売られているお肉です。
名前の由来は、アメリカの先住民が持つ斧「トマホーク」に似ているからとされています。
1本の重さは、約1〜1.5kgほどにもなり長さは30cmに届くくらいで、見た目のインパクトはまさにトマホーク!
骨をつけたまま焼くため、身が縮まないのでジューシーでやわらかく、その美味しさでさらに盛り上がること間違いなし!
ベイビーバックリブ
ベイビーバックリブとは、豚の背中(ロース)側の骨付き肉のことです。
聞きなじみのあるスペアリブは、お腹(バラ)側の骨付き肉です。スペアリブより、サイズが小さいことから「ベイビー」という愛称がついています。
1本の重さは、約600〜800gほど。骨が13本ほど(メーカーにより多少異なる)です。
スペアリブに比べると、脂が少なく赤身の柔らかい肉質が楽しめます。ケチャップやウスターソース、はちみつを合わせたBBQソースに漬け込み、弱火でじっくり焦げないように焼きあげ、豪快にかぶりつきましょう!
ラムラック
ラムラックとは、よくきくラムチョップに切り分ける前の骨付きカタマリ肉のことです。
部位はリブロースにあたります。とてもやわらかい肉質で、ラム特有の匂いも比較的少ないのでラム肉が苦手な方も楽しめると思います(個人差あり)。
1本の重さは、約1〜1.3kgほど。骨を切り分ければラムチョップが8本できます。
骨付きカタマリのまま焼くので、肉が縮まず肉汁も逃げないため焼き上がりは最高にジューシー。
ラム肉はローズマリーやクミンなどのハーブや香辛料との相性がバツグンなので、焼く前にマリネ(漬け込み)しておくのもオススメ。
BBQをランクアップさせるテクニック
お肉の下準備を丁寧に
お肉はそのまま焼いたり煮たりしても美味しいですが、下準備や下ごしらえをすると更に美味しくなります。レストランでは必ずと言ってよいほど下準備がされているものです。
余分な脂やスジを取り除いて、お肉に隠し包丁を入れてやわらかく……。そこまでできればベストですがちょっと大変ですよね。
そこで、最低限これをしておけば!というのが「お肉のマリネ(漬け込み)」です。
BBQ前日にお肉をマリネしておくと、やわらかくなり下味もついてお肉のポテンシャルが最大限に引き出されます。
玉ねぎのすりおろし、ハーブやスパイスなどでマリネ液を用意し、ジップロックに入れて一晩冷蔵庫へ。
少し手間ですが、この作業をするだけでお肉の味わいが全然違います。プロの味。めちゃくちゃ美味しい。すなわちBBQのクオリティが上がります。
マリネは本当にオススメですよ!
火加減のコントロール
前日からお肉を下ごしらえし、いろいろな海鮮やお野菜を揃えたんです。いざ焼いたらまる焦げになって食べられない……。そんな悲しいことは避けたいですよね。
いい感じで焼けたけど、中が半生で次の日にお腹の調子が……。そんなつらいことはあってはなりませんよね。
重要なのは、「火加減のコントロール」。ここでは、炭火での火加減調節をご紹介します。
まずは焼き場を3等分にします。片面1/3を強火ゾーンとし、炭を2層に積みます。
次に真ん中を中火ゾーンとし、炭を1層に積んでください。そして残りの1/3は弱火(保温)ゾーンとして炭は置かないこと。
こうして3つのゾーンに分けることにより、火加減を思いのままにコントロールし、上手にお肉を焼くことができます。
まずは強火ゾーンでお肉の表面を焼き固め、いい焼き色がついたら隣の中火ゾーンへ。ここでじっくり火を通し、最後に弱火ゾーンでお肉を休ませて肉汁を閉じ込めます。
そうして焼き上がったお肉を切り分けた瞬間、肉汁の大洪水。テンションが一気に高まり、BBQボルテージは最高潮に。
「肉汁」ってなんであんなにテンション上がるんですかね?
プレゼンの重要性
前日からマリネしておいたお肉を、完璧なコントロールの火加減で焼き上げて、ザクっと切り分け、お皿にどーん。
これでもBBQらしく楽しめるのですが、ここで切り方や盛り付けを少し工夫するだけで、あなたのBBQタイムはランクアップするでしょう。
まずはお肉の切り方ですが、「お肉の繊維に対して直角に切る」を意識してください。
お肉の種類や料理法により繊維に対して平行に切る場合もありますが、BBQには繊維に対して直角に切るのがオススメ。繊維を断ち切ることでお肉がやわらかくなり、火も通りやすくなるのです。
次は、盛り付けです。色とりどりの野菜やフルーツを使い、視覚的にも楽しめる盛り付けを心がけましょう。
赤、黄色、緑……。イメージは信号機です。パプリカやピーマン、焼きパイナップルなどを添えると見た目にも華やかで、ヘルシー。
焼きりんごもオススメ!
チミチュリソース
BBQのソースって、焼肉のタレとか市販のBBQソースを使いがちじゃありませんか?
お手軽で美味しいですもんね!
ところで「チミチュリソース」ってご存じですか?
このソースは、アルゼンチン発祥の南米で愛されているものです。アルゼンチンは1人あたりのお肉を食べる量がアメリカと並び世界でもトップクラス。
そのアルゼンチンで食されている料理の「アサード」というお肉のカタマリを炭火でじっくり焼く、いわばアルゼンチン式BBQで欠かせないチミチュリソースを手作りで用意しましょう!
パセリやオレガノなどのフレッシュハーブをみじん切りにして、ニンニク、青唐辛子、オリーブオイル、酢を混ぜ合わせたものでお肉をめちゃくちゃ美味しくするんです。
パセリ、青唐辛子の鮮やかな色味と、爽やかな酸味と辛味がBBQシーンを盛り上げます。
以下にレシピをご紹介!
材料(約4人分)
- 生パセリ(みじん切り):15g
- 生オレガノ(みじん切り):10g
- ニンニク(みじん切り):3〜4片
- 青唐辛子(みじん切り):1本
- ワインビネガー:50ml
- オリーブオイル:100ml
- 塩:小さじ½
- 黒コショウ:小さじ¼
手順
- パセリ、オレガノ、ニンニク、青唐辛子をみじん切りにします。
- ボウルに全ての材料を入れ、よく混ぜ合わせます。
- 室温で30分ほどおき、味をなじませます。
- 必要に応じて塩コショウで味を調整して完成です!
焼いたお肉(特に牛肉)にバツグンに合いますが、お魚や野菜にかけても美味しいですよ!
チミチュリソースってボク大好きなんですよね!
まとめ
最近では、アウトドアブームやグランピングなど1年中BBQを楽しめますよね!
焼肉のようにカットしても食べやすいのですが、焼く面が広くとれて煙がたくさん出ても大丈夫なのがBBQです。ぜひ骨付きカタマリ肉を仕入れて、炭火で豪快に焼きましょう!
この記事でご紹介したポイントを押さえて、最高のBBQ時間を過ごしてもらえたらうれしいです!