「鹿肉って美味しいの?」「レストランにメニューがあるけど美味しいの?」「鹿肉を食べてみたいけど怖い…」鹿肉は最近広まってきたとは感じていますが、まだまだ馴染みの少ないお肉だと思います。食べたことのない方も多いのではないでしょうか?
この記事では1級お肉博士の知識を活かして、鹿肉の美味しさと魅力をお伝えしていきます! あなたもきっと鹿肉が食べたくなる?かもしれません。
鹿肉は美味しい!おすすめ部位は
結論から言うと、鹿肉は美味しいです!
私は大好きです。赤身で柔らかく肉肉しい食感がたまりません。
以下でその魅力をご紹介します。
鹿肉はジビエ初心者におすすめ
皆さんはジビエと聞くとどんなイメージをお持ちでしょうか?
「ケモノ臭い」「肉が硬い」こんなイメージなどありませんか?
私はそう思っていました。
初めて食べたジビエが鹿肉でしたが、その時の感想は「メチャクチャ美味い!」でした。
まず肉の臭みなどはまったく無いし、赤身の味が濃厚でとても柔らかくジューシーなんです。
ジビエは個体差と獲った後の処理で肉質が決まります。流通している鹿肉は一定の基準を満たした品質がほとんどのため、食べたらいい意味でジビエのイメージが変わります!
ホント「鹿ってこんなにうまいんだ!」ってビックリしたんですよね
ロースの魅力と美味しい食べ方
鹿肉も部位は色々ありますが、特にロースは最高です。
肉の繊維もきめ細やかで、脂のノリ具合もバツグンの肉質だと思います。
煮ても焼いても美味しいですが、おすすめの食べ方はステーキです。
厚めにカットして、弱火でじっくりと火を通したら、すぐに切らずに肉をアルミホイルに包み休ませます。こうすると中までしっかりと火が通ります。
合わせるソースは、赤ワインやベリー系の甘めのソースがおすすめ。
鹿はヤマブドウが大好きでよく食べているため、肉の旨味を引き立てるでしょう。
ジビエが食べているものをソースにすると相性がいいんです!
モモ肉の美味しさとおすすめ部位
鹿のモモ肉は、「ランプ」「シンタマ」「内モモ」「外モモ」に分かれます。
その中でもおすすめは「内モモ」です。
内モモは他の部位に比べ、中に入り込んだスジがほぼ無く肉の繊維も細やかで柔らかいです。
こちらは薄切りにして、すき焼きや生姜焼きなどに。
よく動く部位なので適度な歯ごたえで旨味が濃く、幅広い調理方法に対応できるでしょう。
エゾシカとホンシュウジカの違い
生態と分布
日本に生息する鹿の代表的な2種、エゾシカとホンシュウジカは見た目が似ているものの、実は多くの違いがあります。
エゾシカは北海道に分布しており、体重はオスが約120~200kgほど、メスは約80~140kgほどで寒冷地に強く体格が大きいです。
肉質の違い
肉質は赤身が濃厚で深みがあり、寒冷地のため質の良い脂肪がついており、旨みが強いです。
モモやロースは厚切りにして、ステーキやローストがおすすめです。スネやバラはシチューのどの煮込み料理に適しています。
ホンシュウジカは本州、四国、九州に分布しており、体重はオスが約70~120kgほど、メスは約50~70kgほどとエゾシカより小柄で暖かい気候に適応しています。
肉質はエゾシカに比べ、繊細でさっぱりとした風味で、脂肪も少なめ。
薄切りにして、焼肉やしゃぶしゃぶがおすすめです。肉質が柔らかく楽しめるでしょう。
鹿肉の栄養価と健康効果
鹿肉は、その高い栄養価と様々な健康効果から、近年注目を集めている食材です。
鹿肉ラバーとして、この優れた食材の価値を多くの人に伝えたいと考えています!
鹿肉は栄養価が高いだけじゃなくホントに美味しいんです!
鹿肉の栄養成分
鹿肉は、低脂肪・高タンパクで鉄分の含有量も牛肉の約1.5倍と理想的な栄養成分を持っており、脂質は牛肉の約1/10ほどで筋肉を落とさずダイエットに効果的なお肉です。
- タンパク質:100g当たり約22~23g(筋肉の形成と修復に不可欠)
- 脂質:100g当たり約1.5~2g(不飽和脂肪酸の割合が高い)
- 鉄分:100g当たり約3~3.5mg(貧血予防に効果的)
- 亜鉛:100g当たり約4mg(免疫機能の強化)
ビタミンB、特にB12が豊富で神経系の健康維持に役立ち、亜鉛も多く含まれ免疫機能の強化につながり、傷の治癒も促進します。
鹿肉の健康効果
鹿肉は美味しいだけじゃありません。以下のような健康効果も期待できます。
- 筋力増強とボディメイク
高タンパク低脂肪の特性から、アスリートやボディビルダー、ダイエット中の方にもおすすめ
- 貧血予防
豊富な鉄分含有量により、特に女性の貧血リスクを低減
- 免疫機能の向上
亜鉛やビタミンB群による免疫システムのサポート
- 持続可能なダイエット
低カロリーながら高タンパクで満腹感が持続
このような栄養価の高さから、筋トレやダイエット中、食事や美容に気遣う人には鹿肉は大注目のお肉です!
鹿肉の美味しい季節や旬は?
ジビエの味わいは季節によって変化します。その季節で自生する山菜や果実、木の実などをたっぷり食べた鹿肉は最高の味わいです。
最も美味しい季節
9月下旬から12月上旬が鹿肉の最盛期であり、レストランやホテルでもメニューに登場が増え、需要が高まる時期です。
この時期の特徴は、上質な脂がのっており肉の旨味が濃厚です。特にロースや内モモは、ミシュラン星つきレストランのシェフの間でも取り合いになるほど。
季節別の特徴
3月~5月の春は、脂肪が少なくあっさりとした味わいです。この時期の鹿は山の中で新芽や若草を食べており、肉質が柔らかく、私はこの時期の鹿の肉質が好きですね。
6月~8月の夏は、肉質が締まってきて硬くなる時期です。草を多く食べており、独特の香りや風味が強くなります。この時期の鹿は「夏鹿」と呼ばれ、レストランのメニューでも「夏鹿のロースト」などが見られます。
北海道でエゾシカハンターをしている知人曰く、「秋冬に負けないくらいこの時期の鹿は美味い」との事でした。
1月~2月の冬は、寒さのため脂肪分が多くなり、濃厚な味わいに。
北海道では雪が多く鹿が見えなくなり、獲りづらくなるようです。
まとめ:鹿肉は美味しいだけじゃなく栄養価も高い!
鹿肉はジビエの中でも、「牛・豚・鶏」のいわゆるテーブルミートに並ぶほど美味しく栄養価の高いお肉だと私は思っています!
ヨーロッパでは、ジビエはご馳走であり、その中でも鹿は高級食材として重宝され、特別な料理に使われてきました。
日本でもミシュラン星つきのフレンチレストランで、堂々のメイン食材になっています。
とはいえ鹿肉にあまり良いイメージがない方もいると思います。臭みがあったり、硬すぎるなど…
その原因はおそらく、後処理が良くなかったのかもしれません。鹿肉を食肉として流通させるには鉄砲を撃つ部位を首から上に限定し、仕留めた後はすぐに内臓を取り出し血抜きをするなどといった処理で最高の肉質になります。
近年では、鹿肉への注目も高まってきており品質も大幅に改善されています。
皆さんもレストランやお店で鹿肉メニューを見つけた際には、ぜひ食べてみてください!
きっとその美味しさに驚かれるでしょう。