鹿肉シンタマとは?特徴からレシピまでお肉のプロが徹底解説

お肉料理

こんにちは、お肉博士のよしにくっくです!

鹿肉の「シンタマ」という希少な部位を手に入れた方なら、

「これってどう調理するのが正解なんだろう?」

「ジビエって硬くて臭いイメージがあるけど、美味しくできるかな…」

こんな期待と不安を抱えてしまいますよね。

ご安心ください!実は鹿肉シンタマは、いくつかの基本さえ押さえれば、家庭でも驚くほど美味しく仕上げられるポテンシャルの塊なんですよ!

その基本を知るだけで、シンタマ特有の上品な赤身の旨味と、とろけるように柔らかな食感を最大限に引き出せます。

この記事では、鹿肉シンタマの調理に挑戦したいあなたに向けて、

  •  鹿肉シンタマの部位としての特徴と最高の味わい
  •  失敗しないための基本の下処理と臭み消しの技
  •  プロが実践する最高に柔らかくする火入れの極意
  •  シンタマの魅力を120%引き出す絶品レシピ

上記について、僕がお肉博士として培った知識と元調理師の経験を交えながら解説しています。

最高の食材に敬意を払うひと手間が、あなたの料理をプロの味に近づけます。

よしにくっく
よしにくっく

鹿肉の「シンタマ」はレストランのシェフからも人気の部位ですよ


鹿肉シンタマとは?お肉博士が語る部位の特徴と最高の味わい

鹿肉シンタマ

皆さん、ジビエって聞くとどんなイメージがありますか?

「なんだか調理が難しそう…」「臭みがあるんじゃないかな?」なんて声が聞こえてきそうですよね。

でも、今日ご紹介する「鹿肉シンタマ」は、そんなイメージを180度変えてくれる、とんでもないポテンシャルを秘めた部位なんですよ!

このシンタマという宝石のようなお肉の正体と、その最高の味わいについて、僕の肉愛を込めて徹底解説していきますね!

鹿のどの部分?シンタマの場所と肉質を解説

まず、シンタマがどの部分かというと、ズバリ鹿の「後ろ脚のモモ肉の中心部」にあたる、非常に運動量の多い筋肉です。

鹿は野山を駆け回るアスリートですから、その脚の筋肉は引き締まっていて脂肪が極端に少ないのが大きな特徴。

シンタマは、そんなモモ肉の中でも特にきめが細かく、柔らかい赤身が集まった、まさに「いいとこ取り」の部位なのです!

牛肉のシンタマと同じように、実はいくつかの筋肉の集合体で構成されています。

そのため、ブロックで手に入れた場合は、大きなスジに沿って分割して使うのがプロの技。

それぞれの部位で微妙に食感が違うので、それもまた面白いところなんですよ。

よしにくっく
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スジで割ると4つのパーツに分かれます。

牛肉のシンタマとの違いは?きめ細やかな赤身の旨味が魅力

「牛肉のシンタマは知ってるけど、鹿とはどう違うの?」という疑問、よくわかります。

最大の違いは、その「赤身の質」にあると言えるでしょう。

牛肉のシンタマも赤身の美味しい部位ですが、鹿のシンタマはそれをさらに凝縮したような、濃厚でパワフルな鉄分系の旨味を持っています。

それでいて、驚くほどクセがなく上品な味わい。

肉質は牛よりもさらにきめ細かく、舌触りはまるでシルクのようになめらかです。

脂肪が少ない分、肉本来の味をダイレクトに感じられるのが、鹿肉シンタマの最大の魅力なのです。

このルビーのように美しい赤身を一度味わえば、きっと誰もが鹿肉の虜になってしまうはず!


シンタマのポテンシャルを活かす調理法はローストが最適!

では、この素晴らしいシンタマのポテンシャルを最大限に引き出す調理法は何か。

僕が自信を持っておすすめするのは、ズバリ「ロースト」です!

なぜなら、きめ細やかで柔らかい赤身の塊であるシンタマは、低温でじっくり火を通すことで、肉汁を内部に閉じ込めたまま、しっとりジューシーに仕上げることができるから。

ステーキのように高温で一気に焼くのも美味しいですが、塊のままローストすることで、中心部は美しいロゼ色に、外側は香ばしく焼き上がった最高のコントラストが楽しめます。

特別な日のごちそうや、ホームパーティーの主役にもってこい。

この後のセクションで、家庭でも失敗しないローストの極意をしっかりお伝えしますから、ぜひ挑戦してみてくださいね!


【最重要】鹿肉シンタマを劇的に美味しくする基本の下処理

さて、ここからが本番です!

どんなに良いお肉でも、下処理を怠るとその魅力は半減してしまいます。

特に鹿肉のような繊細な食材は、この下処理が味の9割を決めると言っても過言ではありません。

「面倒だな…」なんて思わずに、最高の食材への敬意を込めて、丁寧に向き合っていきましょう。

このひと手間が、あなたの鹿肉料理を劇的に美味しくするんですよ!

ポイントはドリップ処理!臭みの原因を元から断つ方法

鹿肉の臭みの原因の多くは「ドリップ」と呼ばれる、肉から出てくる赤い水分にあります。

これは血液ではなく、肉の旨味成分であるミオグロビンなどが含まれた体液なのですが、空気に触れると酸化して臭みの元になってしまうのです。

ですから、調理の前にこのドリップを徹底的に拭き取ることが、何よりも重要。

やり方はとても簡単です。

キッチンペーパーで肉の表面を優しく、また丁寧に押さえるようにして、水分をしっかりと吸い取ってください。

肉を包んでいたラップにドリップが溜まっていたら、それも綺麗に拭き取りましょう。

たったこれだけ?と思うかもしれませんが、この地味な作業こそが、臭みを元から断つための最も効果的な方法なのです。

家庭にあるハーブでOK!肉の香りを格上げする臭み消しの技

ドリップを拭き取ったら、次は香りのマスキングです。

ジビエにはローズマリーやタイムといったハーブがよく合いますが、特別なものは必要ありません。

スーパーで手に入る乾燥ハーブで十分ですよ。

塩、胡椒と一緒に、肉の表面全体に優しく擦り込んでいきましょう。

ハーブの爽やかな香りが、鹿肉が持つわずかな野性味を包み込み、上品で奥行きのある風味へと昇華させてくれます。

もしあれば、ニンニクのスライスを数枚、肉に貼り付けておくのも効果的。

これから調理するぞ!という高揚感も高まって、料理がもっと楽しくなるはずです。

硬いスジはどこ?見極め方と取り除き方のコツ

シンタマのブロック肉には、時々硬いスジが入っていることがあります。

これは食べられないわけではありませんが、取り除いておくと口当たりが格段に良くなりますよ。

スジは、肉の表面に見える白っぽくて光沢のある膜のような部分です。

指で触ってみると、明らかに肉の部分とは違う硬さを感じるはず。

見つけたら、そのスジと肉の間に、細い包丁の先端を滑り込ませるようにして切り込みを入れます。

スジの端を指でしっかりと持ち、包丁を少し上向きに、スジに沿わせるようにして削ぎ取っていきましょう。

焦らずゆっくりやれば大丈夫。

「お肉を傷つけちゃうかも…」と不安になるかもしれませんが、少しくらい肉がついてしまっても気にしないでください。

取り除いたスジは、煮込み料理の出汁に使うと絶品の旨味が出るので、捨てずに取っておくのがおすすめです!

プロの技!鹿肉シンタマを最高に柔らかくする火入れ3つの極意

下処理が完璧にできたら、いよいよ調理のクライマックス、火入れです!

高タンパクで低脂肪な鹿肉の赤身は、火を入れすぎるとすぐに硬くなってしまう、とてもデリケートな食材。

でも大丈夫、これからお伝えする3つの極意さえ押さえれば、誰でもプロ級のしっとり柔らかい仕上がりを実現できます。

さあ、お肉博士の僕が、科学的根拠に基づいた火入れのテクニックを伝授しますよ!

極意1:低温調理で肉汁を閉じ込める!オーブン・フライパン活用術

鹿肉を柔らかく仕上げる最大の秘訣は、ズバリ「低温でじっくり火を通す」ことです。

高温で急激に加熱すると、肉のタンパク質が強く収縮して、大切な肉汁が外へ逃げ出してしまいます。

これを防ぐために、低温で優しく熱を加え、肉汁を内部に閉じ込めるのです。

オーブンを使う場合

  120℃程度に予熱したオーブンで、中心部の温度が55℃~58℃になるまでじっくり加熱するのが理想的です。肉の大きさにもよりますが、500gのブロックなら40分前後が目安になります。

オーブンがない場合

  フライパンでも大丈夫!焼き色を付けた後、肉をアルミホイルで二重に包み、蓋をして火を止め、コンロの上や温かい場所で30分~40分ほど放置します。これが「余熱調理」というテクニックです。

この低温調理こそが、シンタマを驚くほど柔らかくジューシーにする魔法なのです。

極意2:焼き色の付け方で味が決まる!香ばしさを生むメイラード反応

低温調理が大事とはいえ、ただ蒸し焼きにするだけでは物足りません。

食欲をそそる、あの香ばしい焼き色は絶対に必要ですよね。

この焼き色の正体は「メイラード反応」という化学反応。

肉に含まれる糖とアミノ酸が加熱されることで、数百種類もの香り成分が生まれるのです。

つまり、この焼き色をしっかりつけることが、美味しさに直結するということ。

ポイントは、油をひいたフライパンをしっかりと熱してから、肉の各面を1分ずつ、強めの中火で焼き固めること。

「ジュウウウッ」という音と立ち上る香ばしい香り、これが美味しくなるサインです!

このメイラード反応による香ばしさと、低温調理によるしっとり感。

この二つを両立させることが、最高の鹿肉料理への道なんですよ。

よしにくっく
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焼き目をつけることで美味しさアップ

極意3:加熱時間と同じだけ休ませる!旨味を全体に行き渡らせる科学

さあ、焼き上がりました!

すぐにでも切り分けたい気持ちは痛いほどわかりますが、ここでグッとこらえてください。

最後の、そして最も重要な極意が「肉を休ませる」ことです。

加熱された肉の内部では、旨味たっぷりの肉汁が中心部に集まっています。

この状態で切ってしまうと、その肉汁が全て流れ出てしまい、パサパサの残念な結果に…。

そこで、加熱後、アルミホイルをふんわりとかぶせて、暖かい場所で肉を休ませます。

時間の目安は「加熱時間と同じくらい」。

こうすることで、中心に集まっていた肉汁が、ゆっくりと肉全体に再分配され、どこを切ってもジューシーな、完璧な状態になるのです。

これはまさに、美味しさの科学。

この「待つ」というひと手間が、あなたの料理を格上げします。

よしにくっく
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鹿のモモ肉は繊維が粗めなので、肉汁が流出しやすいです。お肉が焼き上がったらしっかり休ませましょう。

【調理法別】鹿肉シンタマの魅力を120%引き出す絶品レシピ3選

さあ、シンタマの特徴から下処理、火入れの極意まで、理論はバッチリですね!

ここからは、その知識を総動員して、実際に最高の料理を完成させるための具体的なレシピをご紹介します。

王道のローストから、手軽なステーキなどシンタマの魅力を120%引き出す絶品レシピを厳選しました。

あなたの「作りたい!」がきっと見つかるはず。

一緒に最高の肉料理を作りましょう!


王道の味!特別な日に作りたい「シンタマの絶品ロースト」

特別な日やホームパーティーで「おっ!」と言わせたいなら、やはり王道のローストが一番です。

低温でじっくり火を入れたシンタマは、まるで高級レストランの一皿のような仕上がりに。

 材料 

  • 鹿肉シンタマブロック 500g程度
  • 塩 小さじ1
  • 黒胡椒 適量
  • ローズマリー(生または乾燥) 1~2枝
  • ニンニク 1かけ
  • オリーブオイル 大さじ1

作り方は、これまで解説してきた極意そのもの。

下処理をした肉に焼き色をつけ、120℃のオーブンでじっくり火を入れ、最後はしっかりと休ませる。

ソースは、肉を焼いたフライパンに残った旨味に、赤ワインと醤油、バターを加えて煮詰めれば、絶品ソースの完成です。

切り分けた断面の美しいロゼ色に、誰もが歓声を上げるでしょう。

よしにくっく
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難しいかもしれませんが「火の通ったレア」をイメージして、低温でじっくり火入れをすると、うっとりするくらいキレイなロゼ色に仕上がりますよ

手軽で豪華!フライパン一つで完成「ごちそうステーキ」

「オーブンはないし、もっと手軽に楽しみたい!」というあなたには、フライパン一つでできるステーキがおすすめです。

シンタマは脂肪が少ないので、焼きすぎないのが最大のポイント。

厚さ2cmほどに切り分けたシンタマに塩胡椒をし、強めの中火で熱したフライパンで片面1分半、裏返して1分ほど焼きます。

火を止めたらアルミホイルをかぶせ、5分ほど休ませれば完成。

焼き加減はミディアムレアが最高です!

わさび醤油や、刻んだ香味野菜を混ぜたポン酢など、和風のソースとの相性も抜群。

いつもの食卓が、一気に豪華なごちそうに変わりますよ。

まとめ:鹿肉シンタマは3つのコツで驚くほど美味しくなる!

今回は、鹿肉シンタマの調理に挑戦したいけれど、硬さや臭みが不安な方に向けて、

  •  鹿肉シンタマの部位としての特徴
  •  臭みを消し、柔らかくする基本の下処理
  •  プロが教える最高の火入れの極意
  •  シンタマの魅力を引き出す絶品レシピ

上記について、お肉博士としての知識と調理師の経験を交えながらお話してきました。

鹿肉シンタマは、ポイントさえ押さえれば決して難しい食材ではありません。

大切なのは、ズバリ「丁寧な下処理」「低温での火入れ」「十分な休息」という3つの基本なのです!

このひと手間が、シンタマ特有の上品な赤身の旨味と、驚くほど柔らかな食感を最大限に引き出してくれます。

家庭の食卓が、まるでレストランのような特別な場所に変わる体験を、ぜひ味わってみてください。

さあ、最高の食材に敬意を払い、あなただけの絶品鹿肉料理に挑戦してみましょう!


この記事を書いた人
よしにくっく

お肉への情熱が冷めない肉食男子(?)、よしにくっくです。
お肉博士1級と調理師免許を保持し、日々お肉と料理の世界を深く探求しています。

普段は食品会社の営業担当です。顧客にはミシュラン星付きレストランのシェフもいらっしゃるため、貴重なお話をうかがう機会も多いです。

このブログでは、そんな情報も交えながら、お肉のことや料理のことを発信していきます!

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