こんにちは、お肉博士のよしにくっくです!
ラム肉を前にして、その独特の香りに少し戸惑っている皆さんなら、
「ラム肉って独特の臭みがあるって聞くけど、本当はどうなの?」
「前に調理したら家族に不評で…もう失敗したくない!」
「買ってきたはいいけど、この臭い、どうすればいいんだ…?」
そんな風に、不安や苦手意識を持っているかもしれませんね。
実は、ラム肉特有の香りの原因は、主に「脂肪」にあり、その正体を知れば全く怖くないのです。
この原因さえ理解すれば、正しい下処理で臭みは驚くほど消え、極上の旨味へと変わるんですよ。
この記事では、ラム肉を最高に美味しく食べたいあなたに向けて、
上記について、僕の調理師としての経験とお肉博士の知識を交えながら、とことん分かりやすく解説していきます!
この知識があれば、ラム肉の香りはもうあなたの敵ではありません。

ラム肉のクセが苦手という人は少なくありません
ラム肉が臭いのはなぜ?

ラム肉って、スーパーで見かけると美味しそうなのに、「独特の香りがちょっと…」とためらってしまうこと、ありますよね。
わかります、その気持ち。
実は、その香りの正体と理由を知ってしまえば、ラム肉はもう怖くないのです。
これを読めば、あなたも今日からラム肉マスターへの第一歩を踏み出せますよ!
臭いの正体は「脂肪」に含まれる特有の香り成分
ラム肉特有の香りの主な原因は「脂肪」に含まれる成分にあります。
具体的には、「分岐鎖脂肪酸(ぶんきさしぼうさん)」と呼ばれるものがその正体。
なんだか難しそうな名前ですが、これは羊が食べる牧草の成分が体内で変化して蓄積されたものなんです。
だから、決して腐っているとか、悪い臭いというわけではありません。
むしろ、自然由来の個性豊かな香り、と言えるでしょう。
僕らプロの世界では、この香りを「羊香(ようこう)」と呼んで、ラム肉ならではの風味として捉えることもあるんですよ。
まずは「臭みの原因は白い脂身にあるんだな」と覚えておけばOKです!
鮮度や月齢(ラムとマトンの違い)も香りの強さに影響するんです
もう一つ、香りの強さを左右する大事なポイントがあります。
それが「鮮度」と「月齢」です。
どんなお肉もそうですが、鮮度が落ちると酸化が進み、どうしても不快な臭みが出やすくなります。
買ってきたらなるべく早く調理するのが、美味しく食べるための鉄則ですね。
そして、もっと面白いのが「月齢」による違い。
人間も年齢を重ねると体つきや雰囲気が変わるように、羊も月齢によって肉質や香りが大きく変化するのです。
一般的に、食肉用の羊肉は「ラム」と「マトン」に分けられます。
種類 | 月齢 | 特徴 |
ラム | 生後1年未満 | 肉質が柔らかく、特有の香りも穏やか。初心者向け。 |
マトン | 生後2年以上 | 肉質はしっかりめで、味が濃厚。香りも力強い。上級者向け。 |
スーパーでよく見かけるのは、食べやすい「ラム」の方が多いはずです。
もしあなたがラム肉初心者なら、まずは「ラム」から挑戦してみるのがおすすめですよ。
家庭でできる!ラム肉の臭みを旨味に変えるプロの3つのコツ
さあ、原因がわかったところで、いよいよ実践編です!
ここからは、僕が調理師時代に厨房で叩き込まれた、家庭で簡単にできるプロの臭み消しのコツを3つご紹介します。
この3ステップで、あなたのラム肉料理は劇的に美味しくなりますよ!
思わずガッツポーズが出ちゃうこと間違いなしです!
コツ1:原因を元から断つ!余分な「脂身」とスジの徹底処理
最も重要で、最も効果的なコツがこれです。
それは、臭いの原因である「余分な脂身」と、肉を硬くする「スジ」を包丁で丁寧に取り除くこと。
「え、そんなことで?」と思うかもしれませんが、これが本当に効くんですよ。
なぜなら、臭いの原因物質である分岐鎖脂肪酸は、赤身よりも脂肪の部分に多く含まれているから。
原因を元から断つ、これが美味しくする一番の近道なのです。
面倒くさい?わかります。
でも、このひと手間が、お店の味と家庭の味を分ける大きな差になるんですよ!
ぜひ、騙されたと思ってやってみてください。

レストランではこうした下処理を徹底します
コツ2:科学の力で中和!牛乳やヨーグルトに漬け込むだけ
脂身を取り除いたら、次のステップです。
牛乳かプレーンヨーグルトに15分~30分ほど漬け込んでみましょう。
これだけで、残っている細かい臭みをさらに和らげることができるのです。
これは、牛乳やヨーグルトに含まれる「カゼイン」というタンパク質が、磁石みたいに臭い成分をギュッと吸着してくれるから。
まさに科学の力ですよね!
漬け込んだ後は、調理する前にキッチンペーパーで水分をしっかり拭き取るのを忘れないでください。
これが、こんがり美味しい焼き色をつけるための重要なポイントになります。
コツ3:香りで上書き!ハーブや香味野菜を効果的に使う方法
最後のコツは、香りの足し算です。
ラム肉の香りに、別の良い香りをプラスして、全体の印象を変えてしまいましょう。
これは言わば「香りの力比べ」ですね。
ラムの香りに負けないくらい強い香りの助っ人を呼んでくるイメージです。
・ハーブ類:ローズマリー、タイム、ミントなどが代表格。特にローズマリーは、ラム肉の最高の相棒
・香味野菜:ニンニク、ショウガ、ネギ、タマネギなど、ご家庭にあるもので十分。すりおろして肉に揉み込むと効果的。
・スパイス類:クミンやコリアンダー、カレー粉なども相性抜群。一気にエスニックな雰囲気に。
これらの香りをまとわせることで、ラム肉特有の香りが心地よい風味へと変化していくのです。
【コラム】その香り、本当に悪者?ラム肉の風味を愛するプロの視点

ここまで臭みを取る方法をお話ししてきましたが、ここで少しだけプロの視点をお伝えさせてください。
実は、料理人やラム肉愛好家の中には、このラム特有の香りがないと物足りない!っていう人もたくさんいるんです。
ジンギスカンや一部の煮込み料理のように、あえてこの香りを「コク」や「旨味」として活かす料理も世界にはたくさんあります。
最初は臭み消しをしっかりするところから始めて、慣れてきたら少しずつ下処理を軽くしてみる。
そうやって、自分にとっての「美味しい!」と感じる香りのバランスを見つけていくのも、ラム肉の楽しみ方の一つかもしれません。
いつか皆さんも、この香りの虜になる日が来るかもしれませんよ(笑)。

ぼくはラムの香りがないと、『なんのお肉を食べているのか?』って感じで物足りません
【FAQ】ラム肉の臭いに関するよくある質問
ここでは、皆さんからよくいただく質問に、Q&A形式でサクッとお答えしていきますね!
ラムとマトンの違いは?どっちが臭いの?
これはよく聞かれる質問ですね。
一言でいうと「羊の年齢」が違います。
・ラム:生後1年未満の子羊の肉。肉質が柔らかく、香りも比較的穏やか。
・マトン:生後2年以上の成羊の肉。味が濃厚で旨味が強く、特有の香りも力強い。
どちらが良い悪いではなく、好みの問題です。
ただ、ラム肉に慣れていない方は、香りがマイルドな「ラム」から試すのが間違いありません。
冷凍ラム肉の臭み消しはどうすればいい?
冷凍ラム肉で一番大切なのは「解凍方法」です。
急いで電子レンジで解凍するのは絶対にNG!
冷蔵庫に移して、半日~1日かけてゆっくり低温で解凍するのがベストです。
解凍できたら、キッチンペーパーで表面のドリップを徹底的に拭き取ってください。
ドリップをしっかり拭き取れば、あとは生肉と同じように、脂身の処理や漬け込みを行えばOKです!
臭みを抑えるおすすめの簡単レシピは?
臭みを抑えたいなら、香りの強い調味料や食材と一緒に調理するのが一番です。
僕のおすすめは、やっぱりローズマリーとニンニクを効かせた「ラムチョップのグリル」ですね。
下処理したラムチョップに塩コショウ、刻んだニンニクとローズマリーを揉み込み、オリーブオイルで香ばしく焼くだけ。
シンプルだけど、肉の旨味とハーブの香りのマリアージュがたまらないんですよ!
他にも、カレー粉で下味をつけたタンドリー風や、香味野菜と煮込んだカレーやシチューも、初心者の方にはとてもおすすめです。
まとめ:ラム肉の臭いは怖くない!原因を知って絶品料理に挑戦!
今回は、ラム肉の独特な香りに悩んでいる方に向けて、
上記について、お話してきました。
ラム肉特有の香りの原因は「脂肪」にあるのです。
ほんのひと手間を加えるだけで、ラム肉は驚くほどジューシーなご馳走に大変身します。
これまで失敗してきた方も、きっとその美味しさに感動するはずです。
正しい知識を武器に、さあ、今夜は家庭で絶品のラム肉料理に挑戦してみましょう!