「あれ?このお肉、もう消費期限切れてる……」「このお肉、消費期限過ぎたけど食べれるかな……」冷蔵庫を開けて、こんな経験はありませんか?せっかく買ったお肉も、適切な保存方法をしなければ、すぐに食べられなくなってしまうことがあります。この記事では、お肉を美味しく安全に食べるための、消費期限の見方や保存方法、そして食中毒予防について、お肉博士1級の知識を活かして詳しく解説します。これを読めば、今日からあなたも、お肉を賢く保存して、無駄なく美味しく食べることができるようになるはずです。
消費期限と賞味期限、違いは?
食品のパッケージには、「消費期限」と「賞味期限」という表示があります。この2つの違い、あなたは正しく理解していますか?
ふわっとしていませんか?
消費期限とは
この期限を過ぎると、急激に細菌が増殖して食品が腐敗したり、食中毒を起こす危険性が高まります。消費期限を過ぎた食品は、たとえ見た目が悪くなくても、絶対に食べないようにしましょう。特に乳幼児やご年配の方、疲れが溜まっていたり体調が優れないときは要注意です。
賞味期限とは
この期限を過ぎても、すぐに食べられなくなるわけではありませんが、品質が低下し、おいしさが損なわれる可能性がありますが、最近ではフードロスの問題もあることから、なるべく使いたいところです。
フードロスとは、賞味期限切れや食べ残しなど、まだ食べられるのに捨てられてしまう食品のことです。日本では年間で約472万トンがフードロスとして廃棄されています。悲しい……
お肉の鮮度を保つための保存方法
せっかく買ったお肉を美味しく食べたいですよね。ここでは、お肉を美味しい状態で長持ちさせるための保存方法を詳しく解説します。
冷蔵庫での保存
冷蔵庫に入れておけば安心ですよね。しかし、ただ入れるだけではダメなんです。3つのポイントを押さえましょう。
1.温度管理
冷蔵庫の温度は、0〜2℃以下に保つことが理想ですが、家庭用の冷蔵庫だと難しい場合もあるため5℃以下に保てれば安心です。温度が1℃上がるだけでもお肉の表面に付いている細菌が増殖します。開け閉めが多いと庫内の温度は一気に上昇するため気をつけましょう。
2.密封
ラップや保存袋などを使って、空気に触れないように密閉しましょう。お肉は空気に触れると酸化して色が変わります。鮮やかな赤やピンク色から茶色や灰色になっていき、最終的には腐ります。 空気に触れることを少なくして鮮度を保ちましょう。
3.場所
冷蔵庫の温度が最も低い場所に置きましょう。具体的には下段奥の冷気の吹き出し口側です。傷みやすい鶏肉は、できれば下段の冷気がたまりやすい場所に置くことで鮮度が保たれます。
料理人の修行時代に「冷蔵庫の開け閉めは短くしろ!」とシェフによく怒られていました…
冷凍庫での保存
冷凍庫は、お肉を長期間保存できるので欠かせませんよね。けれど、どのくらいまで安心して美味しく食べれるのかわかりますか?基本的な目安は約1ヶ月ほど。冷凍保存の3つのポイントを押さえましょう。
1.小分けにする
大きな塊のまま冷凍するよりも、食べやすい大きさに小分けにしてから冷凍すると、解凍する際に便利で、節約にもつながります。
2.急速冷凍
急速冷凍することで、肉の品質を保つことができます。家庭用冷凍庫でも、薄いトレーに広げて冷凍することで、ある程度の急速冷凍効果を得られます。薄く広げて冷凍すれば解凍もしやすいです。
3.解凍方法
冷蔵庫でのじんわり解凍がオススメです。使いたい前日に冷蔵庫に移して、一晩寝かせましょう。電子レンジや流水での解凍は、ドリップ(肉の旨み)がたくさん出てしまうためお肉の品質が低下する可能性があります。
・その他の保存方法
真空パックで空気を抜くことで、酸化を防ぎ、鮮度を長く保てます。また、塩こうじ漬けや醤油漬けなど塩分しっかり目の味付けをすることで、保存期間を延ばすことができます。
漬け込み保存はそのまま焼くだけで美味しいのでオススメです
消費期限切れのお肉は食べても大丈夫?
結論から言うと、絶対に食べないでください。消費期限を過ぎたお肉は、見た目では分からないところに細菌が繁殖している可能性があります。食中毒のリスクを避けるためにも、必ず廃棄しましょう。どうしても食べたい場合は煮込んでガッチガチに火を通してください。それでも違和感を感じたら食べるのはやめること。
お肉の中心温度を75℃以上で1分間加熱すること
食中毒を防ぐために知っておくべきこと
食中毒を防ぐためには、以下の点に注意しましょう。
- 生肉と加熱済みの肉の切り分け: 生肉に触れた包丁やまな板は、よく洗ってから加熱済みの食品を切るようにしましょう。
- 手洗いの徹底: 肉に触れた後は、必ず石鹸で手を洗いましょう。
- 冷蔵庫の温度管理: 冷蔵庫の温度は、5℃以下に保ちましょう。
肉の種類別保存方法
肉の種類 | 特徴 | 保存方法 |
牛肉 | 赤身肉は低温調理がおすすめ。冷凍する際は薄切りに。 | 冷蔵:4℃以下、冷凍:-18℃以下 |
豚肉 | 加熱が不十分だと食中毒のリスクが高まる。 | 冷蔵:4℃以下、冷凍:-18℃以下 |
鶏肉 | 中心部までしっかりと火を通すことが大切。 | 冷蔵:4℃以下、冷凍:-18℃以下 |
お肉の選び方と鮮度を見分けるポイント
美味しいお肉を選ぶためには、以下のポイントに注意しましょう。
- 牛肉: 赤身は鮮やかな赤色で、脂肪は白く、弾力があるものが良いでしょう。
- 豚肉: 肉の色は鮮やかなピンク色で、脂肪は白く、ハリがあるものが良いでしょう。
- 鶏肉: 皮はきめ細かく黄色で、肉の色は透明感のあるピンク色のものが良いでしょう。
あとはドリップが出ていないこともポイント。
ドリップはお肉から出てくる水分のことで旨み成分も含まれているんです。
消費期限が近いお肉を使ったオススメ献立
- 炒め物: 豚こま肉や鶏むね肉など、薄切りのお肉は炒め物にすると短時間で調理できます。お肉を醤油と酒、生姜に漬け込んでおくとグッド。
- スープ: 牛肉や鶏肉を野菜と一緒に煮込めば、栄養満点のスープが完成します。しっかり火が通るので安心。
- カレー: 牛肉や豚肉を使って、スパイシーなカレーを作ることができます。スパイスがお肉の臭みをカバー。
まとめ
この記事では、お肉を美味しく安全に食べるための情報を解説しました。消費期限と賞味期限の違いや、適切な保存方法、食中毒予防など、日々の生活に役立つ知識が満載です。消費期限が過ぎたお肉は絶対に食べないこと。どうしても食べたいときは、煮こんでしっかりと火を通しましょう。
買ったらすぐに小分けにして冷凍庫にしまえば、1ヶ月くらいは安全に美味しい状態で保存できますよ。
ぜひ、これらの情報を参考に、お肉を賢く使い切って美味しいおうちごはんを楽しみましょう!